超高齢化社会が到来し、自宅で在宅介護をしている家庭も増えています。在宅介護は良い点もあれば、問題点もかなり指摘されているため、その双方を理解することが大切です。
まず、在宅介護の良い点は、家庭の中で家族の一員として尊厳を持ちながら穏やかに暮らせることです。高齢になるにつれて体が思うように動かなくなるため、自宅から出る機会が減り、孤立することもあります。しかし在宅介護の場合、常に家族とともに生活を送るため、孤立することはありません。
高齢者が孤独に陥ってしまう事態は、家族が常に高齢者に対して気を配ることで防止できます。また、家族と暮らすことでやすらぎを得ることも可能です。
一方で、在宅介護は家族の負担が増大するという問題点も指摘されています。介護を受ける高齢者の体の不自由さや認知症が進むにつれ、それに比例して在宅介護の負担は増大します。
指摘されているのは、在宅介護による家族の精神的な負担です。高齢者は思うように体を動かすことができないため、それを代わりに行うのが家族です。
家で転んで怪我をしたり、想定外のトラブルが発生することがあり、それが心理的な負担となって家族にのしかかってきます。認知症の症状が進行する他、体の不自由さが増えることで、高齢者はさらに自分でできる行動が限定されてしまいます。
このように、怪我やトラブルを防ぐためにも、入浴や食事などの日常生活上の介助を家族がサポートなければなりません。その結果、心理的かつ身体的な負担が増えるのです。